住宅ローン金利は上がる?変動金利の場合は?
2022/12/27
住宅ローンの金利は大きくわけて、定期的に金利が見直される変動金利と、金利が変わらない固定金利の2つのタイプがあります。
一般的には変動金利の住宅ローンを契約している方が多いですが、変動金利は日銀の政策金利の影響を受ける「短期金利」を元に決められます。
新型コロナから経済の復興、そして原油エネルギーの上昇など、物価高が家計に打撃を与えていますが、住宅ローンの金利についても雲行きが怪しくなってきました。
今回は、2022年12月20日に公表された日銀の発表をもとに、変動金利の住宅ローンは上がるのかを考えていきます。
住宅ローン金利は事実上上がることに
2016年より「短期金利を−0.1%で固定、長期金利を±0.25%の変動幅でコントロールする」という政策でした。
しかし2022年12月20日、日銀が年内最後の金融政策決定会合の結果を公表し、「変動幅を±0.50%に拡大する」と事実上の利上げとなることを発表しました。
なぜ住宅ローン金利が上がるの?
どうして今回、住宅ローン金利が上がることになったのでしょうか?
背景にあるのは、コロナ禍から急速な経済正常化や、原油エネルギー価格の上昇などによるインフレ進行です。
特に2022年は世界的なインフレに見舞われた年で、沈静化する目的で欧米諸国の中央銀行は利上げを行って金融環境の引き締めを実施しています。
日本の場合、これまで通り金利が一定だと海外金利が上昇して円安に拍車がかかります。
すると、電力料金や生鮮食品、日用品などさまざまな商品の値上げへとつながり、物価上昇へとつながってしまいます。
既に頻発する値上げへの対策として、事実上の利上げに踏み切ったと推測されます。
どのくらい住宅ローン金利が上がるの?
確定的なことはまだ分かりませんが、変動金利は上がらずに、固定金利は若干上がる、もしくは限定的になるのではないかと予想されています。
変動金利の場合は、短期金利はマイナス金利が維持されるため、固定金利ベースの長期金利のみが上がるというのが理由です。
2016年から日銀はマイナス金利をはじめましたが、その前である2009年頃からマイナス金利は一定になっています。変動金利の場合はマイナス金利を始めてもこれまで下げなかった短期プライムレートという指針を引き上げる理由を説明できないからです。
住宅ローンを利用している多くの方が変動金利の住宅ローンを契約されているかと思うので、変動金利の方は安定して低金利が続くのではないでしょうか。
まとめ
日銀が2022年12月20日に公表した「変動幅を±0.50%に拡大」と、事実上の利上げとなりますが、変動金利の住宅ローンを契約されている方は、今後も安定して低金利が続くことが予想されています。
しかし確定的なことはまだ分からない状況なので、今後も新しい情報をこまめに確認するようにしましょう。