注文住宅のメンテンンス費用はいくら?
2022/02/22
5つの点検とお金の話
注文住宅は一生ものの大切な資産となりますが、定期的にメンテナンスを行わないと、注文住宅の寿命を縮めてしまいます。
そこで今回は、注文住宅のメンテナンス費用の詳細と、5つの点検項目ごとの費用を詳しく解説していきます。
注文住宅のメンテナンス費用はいくら?
注文住宅の寿命は、木造住宅で約30年、鉄骨住宅で約30〜50年、鉄筋コンクリート住宅で約40〜90年と言われています。
しかしこれは、あくまで注文住宅の寿命の目安ですので、注文住宅の使い方やメンテナンスの頻度などによって、注文住宅の寿命を延ばすことができます。
ここからは、注文住宅の寿命を延ばすのに欠かせない、各メンテナンスの内容から費用まで詳しく解説していきます。
1.外壁
築10年目をめどに、注文住宅はメンテナンスをしたほうがいいと言われています。
その理由が、外壁や後述する屋根のメンテナンス時期が築10年目を推奨しているからです。
注文住宅が築10年目頃を迎えると、外壁の色あせやコケ・藻の発生、チョーキング、クラックの発生、
塗膜の剥がれ、シーリング部分の劣化が現れることが多くあります。
この状態を放置すると、劣化した外壁から雨水やシロアリなどが侵入してきて、住宅そのものの劣化につながってしまいます。
外壁材の種類によって注文住宅のメンテナンス費用は異なりますが、おおよそ以下の費用が予想されます。
- シーリングの交換費用…15〜25万円(築15〜20年目頃)
- サイディング材の交換…170〜230万円(築30〜40年目頃)
- 吹きつけ…50〜80万円(築8〜20年目頃)
※35坪前後の注文住宅の場合
注文住宅の築10年目ごとに外壁のメンテナンスを行うことで、早期に劣化を見つけることができるので、
トータルでかかるメンテナンス費用を安くすることができます。
2.屋根
注文住宅が築10年目を迎えて、外壁のメンテナンスを行う際に一緒にメンテナンスをしてほしいのが屋根です。
屋根も外壁同様に、雨風の影響を直接受けるので、定期的にメンテナンスを行うことで、雨漏りなどのトラブルを防ぐことができます。
屋根材によって注文住宅のメンテナンス費用が異なりますが、現在主流の屋根材は「スレート屋根」「日本瓦」「金属屋根」の3種です。
- スレート屋根のメンテナンス(点検・補修・塗装)…25〜40万円
- スレート屋根の交換…100〜140万円
- 日本瓦のメンテナンス…ほぼなし
- 金属屋根のメンテナンス費用(点検・補修・塗装)…25~40万円
- ※35坪前後の注文住宅の場合
外壁と金属屋根のメンテナンスを同時に行うことで、足場の設置を1回分の費用で納めることができるので、足場費用を安くすることができます。
3.フローリング
注文住宅ではさまざまなデザインのフローリングが使用されますが、フローリングを大きくわけると「複合フローリング」と「無垢フローリング」の2種となります。
複合フローリングは合板フローリングとも呼ばれていて、複数の薄い木材を貼り合わせた基材の表面に、天然木の板や木目調のシートなどの化粧材を貼ったりして使用します。
無垢フローリングは、天然木から切り出した1枚板を材料としていて、複合フローリングと比べると寿命が長いですが、傷つきやすく、水に弱いというデメリットがあります。
複合フローリング、無垢フローリングの両方の寿命は、おおよそ15〜20年と言われており、築15〜20年目の注文住宅のメンテナンスで必要となります。
- 6畳…9〜18万円
- 8畳…10〜20万円
※張り替えの場合
フローリングの劣化を放置することで大きな影響はありませんが、お部屋のデザインや雰囲気を損なうという影響があるので、築15〜20年目にはフローリングのメンテナンスを視野に入れるようにしましょう。
4.クロス
壁紙であるクロスも、フローリング同様に劣化していきます。
クロスの寿命はおおよそ10年程度ですので、注文住宅を建てて築10年目には、クロスのメンテナンスも視野に入れましょう。
クロスのメンテナンス費用は、1㎡で5,000円前後します。35坪の家の1/3のクロスを交換する場合は、おおよそ20万円程度のメンテナンス費用がかかるということになります。
5.換気設備
2003年の改正建築基準法で義務化された24時間換気システムは、注文住宅を建てる際に必ず考えなければいけない設備の1つとなります。
24時間換気システムには種類がありますが、第一種換気の場合のみメンテナンス費用が発生します。
- ダクト洗浄(10年に1回)…3〜5万円
- 熱交換器のメンテナンス…機種によって異なる
換気設備のメンテナンス費用は、おおよそ10〜20万円程度かかると考えておきましょう。
まとめ
注文住宅を建てたら、おおよそ10年ごとにメンテナンス費用がかかることを覚えておきましょう。
注文住宅のメンテナンス費用は、毎月少額ずつ積み立てておくと、いざというときに安心です。
マンションの維持費積み立てのイメージで、毎月無理なく積み立てていくようにしてみましょう。